突然ですが、「消費者の購買行動モデル」というものをご存知でしょうか?
これは“消費者がサービスを購入するまでには、いくつかの段階が存在する”という概念で、マーケティング業界で使用される専門用語です。
ビジネスをされている方なら知っておくべき考え方でしょう。
今回は様々提唱されている購買行動モデルから、下記の基本的なものを解説させていただきます。
- AIDA(アイダ)
- AIDMA(アイドマ)
- AISAS(アイサス)
現代社会に則した、発展した行動モデルは別に記事にて詳しく解説しておりますのでご覧ください!
この記事をご覧くださったすべての人にとって有益な情報となりますように。
基本の考え方
冒頭で“消費者がサービスを購入するまでには、いくつかの段階が存在する”という概念だとお話ししましたが、具体的には以下のようなことです。
一番簡単な行動だと下記のような順になります。
- 悩み・問題がある
- 何かの広告でサービスを知る
- 購入するか迷う
- 購入する
これらの段階の英語の頭文字を繋いだものが法則として提唱されています。
AIDA(アイダ)の法則
AIDAの法則は最初に提唱された購買行動モデルで、主にマスメディア広告型の購買行動を表しています。購買行動モデルの原点であり、フォーマットと考えていいでしょう。
AIDA(アイダ)
マスメディア広告型
A | Attention(アテンション) | 認知・注意 |
---|---|---|
I | Interest(インタレスト) | 興味 |
D | Desire(ディザイア) | 欲求 |
A | Action(アクション) | 行動 |
AIDAは一番基本的な購買行動モデルです。
- 消費者に特定の問題や悩みがあり
- この問題を解決できるサービス(商品)を広告で知り
- そのサービス(商品)が欲しくなり ※正確にはそのサービス(商品)から得られるメリットが欲しくなり
- 購入という行動を起こす
AIDMA(アイドマ)の法則
AIDMAは最も有名な購買行動モデルでしょう。これはマスメディア広告型の購買行動を表しています。
AIDMA(アイドマ)
マスメディア広告型
A | Attention(アテンション) | 認知・注意 |
---|---|---|
I | Interest(インタレスト) | 興味 |
D | Desire(ディザイア) | 欲求 |
M | Memory(メモリー) | 記憶 |
A | Action(アクション) | 行動 |
AIDAにM(Memory)が加わったものです。
基本的にはAIDAと一緒ですが、世の中にサービス(商品)の提供者が増加して競合他社が増えたことから生まれた法則でしょう。
同種のサービス(商品)が増えた時代において、比較検討をする必要がでてきました。すぐさま買うことはなくなったからこそ、「このサービス(商品)は良さそう」だと記憶に残った時に購入に至る。という考え方です。
AISAS(アイサス)の法則
AISASは最も現代のインターネット社会に即した購買行動モデルです。これはインターネット検索型の購買行動を表しています。
AISAS(アイサス)インターネット検索型
A | Attention(アテンション) | 認知・注意 |
---|---|---|
I | Interest(インタレスト) | 興味 |
S | search(サーチ) | 検索 |
A | Action(アクション) | 行動 |
S | Share(シャア) | 共有 |
基本的にはAIDAと一緒です。
しかしインターネットの普及により、S(search)とS(シshare)が追加されました。
広告を見て興味を持ったら、購入する前に検索エンジンで検索をかけて情報収集をします。そして購入後に、サービス(商品)の良し悪しを口伝やSNSで友人に共有する。あなたも心当たりがあるのではないでしょうか。
活用方法
「購買行動に段階があるのはわかったけどどう活用するの?」こう思った方も多いのではないでしょうか。実際に活用するには“購買行動モデル”と“自身のビジネスのターゲット”に真摯に向き合う必要があります。
具体例で考えてみる
- 若年層向けの商品を扱っている
- 実店舗メインの活動(ウェブサイトも運営している)
- ウェブサイトからでも購入できる類の商品
- 最近売上が落ちている
このビジネスの戦略を考えてみましょう!
まず自身のターゲットはどの購買行動モデルをとっているかを考えます。
仮説1
①若年層はオフライン広告(チラシやポスター)でもWEB広告でも、広告を見た瞬間に即決で商品を買う可能性はとても低いと予想。
なぜなら、現代にはサービスがあふれており、同時にサービスの数に比例して広告も山のように流れているからです。
つまり現代の若い子は物心がつくと同時に“情報の取捨選択能力”が鍛えられています。
仮説2
②加えて考えなければいけないのが、若年層にオフライン広告は効果があるのか、ということです。
現代の広告は大きく分けて2つ、オフライン広告とWEB広告があります。広告費は無限にあるわけではないので効果的な方を選択したいです。
ここは言わずもがなだと思いますが、WEB広告を選択します。なぜなら若年層は、新聞に入っていようがポストに入っていようがチラシは見ない人が多いですし、電車内ではスマホを操作している人が多く電車内ポスターを見る人は少ないでしょう。
この2つの理由からインターネット検索型のAISASで考え、WEB集客を推進していきたいと思います。
仮説3
次にWEB広告の出稿媒体を選びましょう。
③現代の若年層はスマホを使用してのSNSの利用頻度が非常に高いです。
ですので“認知”の段階ではSNS広告を使用しようと思います。かつ広告費を無駄遣いしたくないのでスマホのみに出稿します。PCの使用率が低いからです。
これで商品を知ってもらい興味を引くことができます。
仮説4
④次に、「情報収集の得意な若年層は検索エンジンを使い、情報収集をして商品の良し悪しを判断するはず」と仮説を立てて、商品サイトをスマホ向けに改善して利便性を向上させます。
ここでSNS広告→商品サイト、というユーザー導線ができました。
若年層向けの商品サイトは、以下のことに気をつけます。
- わかりやすい画面構成
- 若い子向けのカラーリング
- 料金を明確に
- 購入のハードルを下げる
このことを意識したウェブサイトならば、きっと購入してくれるはずです。
仮説5
⑤良い商品だと思ったらシャアして友人に紹介する傾向、が現代の若年層にはあります。ですので、商品サイトにはSNSのシャア機能を実装、かつSNSにシャアされたときの表示画像と文章を“SNSに表示されたときに興味を引きやすい形式”で指定しておきます。
以上です。
高度な部分は割愛させていただきましたが、大枠としてはこんな感じでしょう。
今回のポイント
“購買行動モデル(AISAS)の通りに考えれば、ユーザーの行動が読める”ではなく、
“時代に即して、ユーザーの行動を分析したものが購買行動モデル(AISAS)である”ということがポイントです。
時代の変化とともに消費者のサービスに対する情報取得の方法は多様化しており、それに伴い購買行動モデルも多様化しています。
しかし購買行動モデルは、あくまで購買行動の傾向を法則化したものであって、本質的に大事なのはいつだってユーザーだということを理解する必要があります。